2008-12-01から1ヶ月間の記事一覧

GHQ焚書図書開封(西尾幹二)#17

「機上から見下ろせば、南秦の海は白波を立てて、やや荒れ気味に見える。その海上に浮かんでゐるのは、わが輸送船團だ。海岸と、輸送船の間を往復してゐる舟艇が豆粒のやうに見える。わが陸の精鋭部隊の上陸地点だ。敵の不意を衝いて決行した上陸作戦は見事成…

GHQ焚書図書開封(西尾幹二)#16

第一次世界大戦が終り、また講和会議締結によって、赤道の北にあるマーシャル諸島やカロリン諸島、マリアナ諸島は日本の委任統治領となり、赤道以南のニューギニアやビスマルク諸島はオーストラリアの統治領、サモアはニュージーランドの統治領になることが…

GHQ焚書図書開封(西尾幹二)#15

イギリスにとっても日英同盟はとても大事な同盟であったが、それをアメリカが潰したというのが歴史の流れであった。 「シンガポールが南方圏に於て政治的にも経済的にも最も中心的な要衝たる事は云うまでもない。この地を領有する事によつて、イギリスの南方…

GHQ焚書図書開封(西尾幹二)#14

「濠州聯邦」が出版されたのは昭和17年、当時のオーストラリア原住民の数は「2万人」と記されてされている(#13では、20万から100万説を述べたが)。それぐらい減ってしまったのである。イギリス人も遅蒔きながら「原住民保護」を言いだす。衣服や毛布…

GHQ焚書図書開封(西尾幹二)#13

西尾はタスマニアの原住民と比較して、ニュージーランドのマオリ族のことを述べている。 「先ごろ私(西尾)はニュージーランドを旅行してまいりましたけれども、マオリ族は今でも自分たちの文化を保っていました。彼等は、イギリスからやってきた白人の移民…

GHQ焚書図書開封(西尾幹二)#12

「ロビンソン・クルーソー」には、こんな背景がある。航海に出たダンビアは、1709年、チリ沖の無人島に船員を置き去りにした。4年後そこに戻ってみると、自分が置き去りにした船員が生存していた。その孤独な生活を名文で記した。それを読んだデフォーは「…

GHQ焚書図書開封(西尾幹二)#11

ここに「印度史の分析」という焚書がある。学術性の高い本である。インドの宗教や民族について深く書かれている。「インド研究序説」という章から始まっている。 「・・・英人の印度研究であるが、その實証的の研究調査は殆ど世界の最高水準に達してゐる。廣汎…

GHQ焚書図書開封(西尾幹二)#9

<上記のものが「奢り」「日本軍の過剰評価」とも見られないこともない。またその奢りが「命中率」の記述の中にも表れている。> 「命中率は、どうであるかといへば、日本は一九〇四年の日本海々戦においても、三割二分の命中率を有し(注;軍艦から軍艦への…

GHQ焚書図書開封(西尾幹二)#8

第四章 太平洋大海戦は当時としては無謀ではなかった 西尾は言う、「パラダイムが変わると歴史の見方が変わる」と。昭和20年8月15日(敗戦の日)をもって、日本の戦争の歴史に対する感覚や現実感が変わってしまった。戦後ヒットした映画「二十四の瞳」…

GHQ焚書図書開封(西尾幹二)#7

「・・ただ敵の死体と散乱する軍需品の海だつた。これを踏み越え踏み越え進むうち『オイ、女だ!』と石原上等兵が叫んだ。・・・・敵の死体に混つて、立派に軍装した、紛れもない断髪の女の死体が一つ埋つてゐた。閉ざされた中華門にすがりついた慟哭するか…

詭弁法(erasusさんの)#1

「古代ギリシアの時代、詭弁術が政治支配に大きな力になった。だから、ソフィストに金を払っても「詭弁家」になろうとした。相手をうまく言いくるめる方法 のことを「詭弁」と呼んだ。 小野田博一の著書『正論なのに説得力のない人ムチャクチャでも絶対に論議…

新erasusさん問答#4

新しくErasusさんが「粛清論」の問題を立ち上げてこられた。 私の認識では、共産主義というイデオロギーの中に本来人間の命の尊厳性を無視するものがあるのではないかと思っている。その尊厳性の無視とはマルクスが言った「宗教はアヘンである」というところ…

新erasusさん問答#3

「百人斬り競争については、犯人とされる旧日本陸軍大尉が故郷鹿児島県において地元の小学校や中学校で捕虜殺害を自ら公言していたことを調べ上げて、1991年に日本大学法学会『政経研究』42巻1号・4号にて発表している。」 <百人斬り競争は当時の確か毎日新…

新erasusさん問答#2

以前私が書いた「保守とは何か」の定義づけに対して、erasusさんからの反応があった、大まかなところでは合意(?)に達していると思うのだが、細かなところで興味ある新しい意見、反論があった、それについて考えていく。 1) 革命は「破壊」だからエネル…

新erasusさん問答#1

新タイトルに変えた。コンピューターにタイトルごとに保存し、その上に書き込んでいるが、新しく書き込むのに、マウスを移動で時間がかかる。新しいタイトルなら、すぐに書き込める。この新タイトルも#10ぐらいをめどに、それ以上になるとまた変えるであ…

GHQ焚書図書開封(西尾幹二)#8

第四章 太平洋大海戦は当時としては無謀ではなかった 西尾は言う、「パラダイムが変わると歴史の見方が変わる」と。昭和20年8月15日(敗戦の日)をもって、日本の戦争の歴史に対する感覚や現実感が変わってしまった。戦後ヒットした映画「二十四の瞳」…

GHQ焚書図書開封(西尾幹二)#7

「・・ただ敵の死体と散乱する軍需品の海だつた。これを踏み越え踏み越え進むうち『オイ、女だ!』と石原上等兵が叫んだ。・・・・敵の死体に混つて、立派に軍装した、紛れもない断髪の女の死体が一つ埋つてゐた。閉ざされた中華門にすがりついた慟哭するか…

GHQ焚書図書開封(西尾幹二)#6

<この章では、谷口勝歩上等兵の書いた「征野千里」という焚書になった本の紹介がなされている。この本には「一兵士の手記」という副題がついている。現在南京大虐殺と騒いでいるが、一兵士が観念でなく直接的、具体的に南京陥落まで、そして陥落後の正月の…

GHQ焚書図書開封(西尾幹二)#4

<タイトル名> 日本放送出版協会「出兵兵士を送る歌」 日本放送出版協会「嗚呼、北白川宮殿下」 讀賣新聞社「支那事変実記(二)〜(一五)」非凡社 眞山青果「乃木将軍」大日本雄弁会講談社 山中峯太郎「ノモンハン戦秘史」誠文堂新光社 榊原潤「ビルマの…

GHQ焚書図書開封(西尾幹二)#3

GHQの民間検閲支隊Civil Censorship Detachment(CCD)の主な活動はマス・メディアのチェック、すなわち目の前の情報の「検閲」であった。これは私信開封にまで手を伸ばしていた。実はこのCCDの一部門にプレス・映像・放送課Press,Pictorial&Broadcast D…

GHQ焚書図書開封(西尾幹二)#2

その一方で不確定な情報をもとに小泉批判をしたことが原因で、自身も大きな批判を受けた(→小泉訪朝における空白の10分間事件を参照)。これについて本人は「小泉政権の陰謀」だと主張している。 また、その際には小泉を自民党の左傾化を推進してきた野中広…

GHQ焚書図書開封(西尾幹二)#1

唐沢俊一氏と、帝京大学教授、元陸将志方俊之氏の田母神俊雄批判に田母神擁護を行なう予定であったが、ここでやめておく。田母神擁護を続けたところで、大体の議論は予想もつくし、このあたりで頭を切り替えて新しいトピックスに入る。 今回は、著書、「GH…