講演会、田母神俊雄、「わが思いの丈を語る」#10

講演会、田母神俊雄、「わが思いの丈を語る」#10
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田母神氏の講演も終わりに近づいてきた。
1) 上にたつもの、上司がしっかりしていれば部下は安心して働ける。部下というものは上司の顔が一番気になるものである。今日本で求められているのは強い親父である。石原慎太郎、橋本大阪府知事、共に強いことを言っているが、高い支持率を誇っている。橋本氏は8割の支持率である。彼がいくら強いことを言っても、リコールの声などない。
<#8で書いたように、ロス在住再生会の目良氏が日本に行き、本屋を観察したところ、よく売れているのは、オバマ大統領、田母神氏と白州次郎氏の本であったという。共通して言えることは、強いリーダー性を3人が持っていることである。麻生総理大臣も田母神氏を更迭せず筋を通せば、今ほど支持率を落とすこともなかったであろう。これは田母神氏も言っていた。「私を更迭した日から麻生さんは支持率が急に下がり出した。私に謝罪なされば支持率が上がるかもしれんませんね」。ところでアメリカでの私の読者の方から昨日電話があり、「白州次郎に興味がある」という木庵の記事を読んで、木庵に白州次郎について書いてある本を2冊貸してくださるという。読み終えた後、白州次郎について書いてみる。彼は神戸一中からケンブリッジかオックスフォードで勉強した経歴のある英国仕込の紳士である。だから、日本が敗戦してもマッカーサーに卑屈に対応するのでなく、叱り飛ばしたこともあるという筋金入りの人間である。ここで彼のことについてある程度のことは書けるが、読んでからじっくり評価したいと思う。木庵>
2) 田母神更迭事件以降、保守と名乗る人間の仮面が剥がれた。石波元防衛大臣の無能ぶりはもう書いたが、田母神は元防衛大学校長猪木も批判している。具体的にどう批判したのかメモを見るかぎり不明であるが、猪木が田母神のことを「へんちくりん」(?)のようなことを言ったという。他に田岡、岡本などの名前が挙がっていた。
<元外交官の岡本については木庵もかつて批判したことがあるが、田岡とは誰かわからない。それより防衛省関係の人間でさえ、新聞や雑誌で田母神批判をしている人がいるようだ。かつての上司であったり、仲間であった人間からの批判に、田母神氏は心が痛いことだろう。私の観察するところ、批判されるほどのことを田母神氏はしていない。木庵>
3) 田母神は、自衛隊員が犯罪を犯すと、世間でよく問題にされることに対して、一言反論している。警察白書によると、一般日本人の犯罪を犯す割合は1000人に20人である。ところが航空自衛隊に限って言えば1.5人である。陸上自衛隊でも2人ぐらいである。いかに自衛隊員が品行方正であるかがわかる。自衛隊員もある程度時代の影響を受け、悪いのも入ってくる。しかし入隊後、教育してまともな人間にしている。有識者が集まって、自衛隊犯罪防止委員会のようなものを作ったが、「そのようなもの、必要ないと」田母神は以前から言ってきた。
4) 沖縄からグアムへの米軍基地移転に関して、日本政府は1兆円出すと言っている。
<今米軍再編成が行われているが、要するにアメリカの経済的な弱さを友好国、特に日本に肩代わりさせるためのものである。金丸が「思いやり予算」といって米軍基地の日本人労働者の賃金、施設の維持費などを援助することを突如言い出した。そして、それ以降毎年莫大な金が米軍に流れている。米軍が日本を守ってくれている御礼なのであるが、そうであるなら、米軍に守ってもらうのを少なめにして、自衛隊の力で日本を守る体制を造りあげればよい。自衛隊の充実に当てるべきであるが、アメリカはそれをさせないであろう。思いやり予算は既得権であり、それに上乗せして、色々なところで金をせびってくるであろう。そのようなやり取りが外交であるのだが、日本政府の軟弱外交ではアメリカに押し切られてしまう。アメリカは日本に独立国に見合った軍事力を持つことを願っているのであるが、芯のしっかりしていない軍隊であり、アメリカの飼い犬であることを望んだ上での独立ということになる。本来飼い犬と独立とは矛盾しているのであるが、その矛盾を通そうとするのがアメリカで、その矛盾を知ってか知らずか、現状維持のままでよいとするのが日本政府のやり方である。ここでも、アメリカにはっきりものが言えるリーダーが必要である。アメリカははっきり言う人間を煙たがりはするが結局尊敬する。迎合するから「こいつは俺の子分だ」と思われてしまうのである。田母神氏は更迭されてからあと、外国人記者団の前で話をしたことがあるらしいが、殆どの外国人記者は田母神氏の話に対して違和感のある反応をすることなく、「当然である」のような感触があったという。木庵>
5) 講演の最後に、田母神氏自身が脳の手術をしたことの逸話を話した。「これは国家機密ですよ」、「顔がゆがんできたので、手術をすることになったのですが、家内が言うのに『あなたの顔のゆがみなど心配いりません。もともと貴方はゆがんだ心を持っているのですから』」「もっとも、私の歳ぐらいになると、手術しなくても少々ゆがんでいるものですがね」「手術のあともまだ少々ゆがんでいます。500円硬貨ぐらいの○○が入っているのですが、空港の○○も通れますよ」、「手術の後家内に『あなたは誰ですか』と言うと、家内は医者に『大丈夫ですか』と尋ねていました」「何の話をしていたか忘れてしまいました。これで私の講演を終らせていただきます」。
<脳の手術とは田母神氏にとって大変なことであったはずなのに、それを茶化し、最後には、「何を言っていたか忘れましたよ」と講演を締めくくるなど、落語を聴いているより面白かった。この終わり方は田母神氏なりの計算があったように思う。講演の内容は相当笑わせているが、日本の政治、軍事に関する本質に触れるものであった。しかし、これは田母神氏自身の考え方であり、聴衆に無理強いさせてない。それが最後の落ちとなって表現したのであろう。宗教家や政治家が熱弁の余り、自己の喋ってことに酔って、また聴衆にも酔ってもらいたいというようなものがある。ところが、田母神氏の場合、自分の言ったことを客観的な空間に放り投げ、それを冷静に観ている田母神氏がいる。聴衆にも「私の講演をただ熱狂的に聴くだけでなく、貴方の頭でもう一度考えてくださいよ。そうした上で考えが合えば行動をともにしましょう」というメッセージに木庵は感じた。このような高度な講演テクニックを使う田母神氏は、十分に言論界でも勝負できる人間であると思った。木庵>
質疑応答に入る前に、主催者を代表して桜井雄一郎氏が三本締めをした。意表をついて「親愛を込めてタモちゃんと呼ばせてもらいます。タモちゃん頑張れエイエイオー、タモちゃん頑張れエイエイオー、タモちゃん頑張れ、エイエイオー、ありがとうございました」
<後で桜井氏に、「何故タモちゃんと言ったのか」尋ねてみると、「田母神氏の本の中に田母神氏のことを昔から、『タモちゃん』と同僚や上司からも呼ばれていたと書いてあったからです」と、返事が返ってきた。確かにその後私も本を読んでみたが、そのようなことが書いてあった。
次に元上官の田中氏が「少しお知らせします」と、次のようなアナウンスをした。
「田母神さんは強硬なスケジュールでやってこられました。実は28日は名古屋で夜の部の講演をなされ、今日(3月1日)にロスにやってこられたのです。空軍の参謀だけあって記憶力抜群でしょう」
<毎日のように講演をしているとはいえ、一切のメモを見ず、流れるごとく話された田母神氏の才能に脱帽である。木庵>
つづく