櫻井よしこ、異形の大国中国(特別編、erasusさんとの問答、前半部)

櫻井よしこ、異形の大国中国(特別編、erasusさんとの問答、前半部)
 やってきましたね。櫻井よしこというと、erasusさんにとって「日本会議」の代表であるので、当然乗り込んでこられるでしょう。彼とは並行線で議論にならないところがある。それは以前にも書いたように、育ちとか、生活感情の違いからくる。erasusさんはそうではない、論理に帰結すると言いたいのであろうが、「感情の持ち方の違いからくる」と、あえてここで繰り返す。ある読者は彼の言葉に不快感を抱く人がいて、現に彼がコメントすると私のブログへの参入者が減る現象を起きている。今回もどうなるであろうか。私にとってerasusさんは大事な論敵であり、大事にしたい人である。ただし率直に書くが、時にはただ単なる反論のための反論と感じることがある。そこが二人が平行関係にある所以なのであろう。しかし、彼の明瞭な論理展開、知識の豊富さ、洞察力の鋭さによって、どれだけ私の考えが深まり、強まったか、感謝している。今回も彼の真摯なコメントであるので、真正面から反応する。  
  スペースの関係で、彼のコメントを1)〜3)と4)〜6)に分け、それぞれについて論じることにする。


1)支那政府には、日本の大マスコミのスイッチを入れるという発想があるのだろう?
要は日本の大マスコミが一切取り上げなかったら問題にすらならないのではないか?
ここらあたりは、
○日本の反日(日本叩き)
−が問題のように思われ勝ちだが結局は、
自民党>がおとなげない
自民党>だから叩かれた
という部分が大きいと思う。<自民党>は支那をあしらうこともできなかったのだった。売国政党と言えよう。わが国に【政権交代】があったら支那政府は<自民党>の反応だけに終始しているわけにはいかなかったはずだ。日本の国内世論を敵に回したくはないからだ。
要するに、これは日本叩きではなく自民党叩きであったということだ。それも、もう間もなく終わる〜

<1)へ木庵の反応> 殆ど同感である。まず、支那はほとんど日本の大マスコミをコントロールしている。支那の日本叩きは、日本国責任政党である自民党叩きであると言えるであろう。自民党が、腰抜けな(大人気ない)対応をするので、その弱みにつけ込むのである。だからといって、民主党ではどうかということであるが、確かにerasusさんが述べられるように、政権交代による日本政府の継続性の否定により、中国の対応の仕方も変わらざるを得ないというところがあるだろう。私は自民党であろうが民主党であろうが、戦後の政治に精神分裂現象が起きており、その歪みが支那のつけ込む要因であると見ている。結局、支那日本叩きは日本国内問題なのである。
2)リーマンショック以降の支那は、この櫻井が描いた支那とは全然違う。すなわち、支那は大国ではないのである。人口が多いだけだ。この人口爆発支那に、?食糧危機をすぐに招来するだろう。既にアメリカ合州国穀物輸出にも翳りが出ている。売り惜しみも出るだろう。穀物は現在、備蓄が利くのだ。今年分を今年中に売りおおせる必要はなくなった。?エネルギー危機も支那を既に直撃している。おそらく支那のエネルギー需要は賄えないだろう。既に?水危機は常態化しており、大運河建設は公共事業にしかならないだろう。揚子江の水とて無限ではないのだ。支那は多くの土地が森林ですらない不毛の地であり耕作に適さない。露西亜のシベリアと違って資源も算出しない。残るは東支那海のメタンハイドレートだけである。
<2)への木庵反応>   #2の最後に私はこう述べている。<櫻井の熱き心が伝わってくる。ここまでで、大体、彼女の政治的考えは理解できた。支那脅威論が主な柱であるが、彼女がこの本を書いた08年と今09年2月とは微妙な変化が生じているように見える。アメリカの経済破綻に一番打撃を受けているのは中国であろう。知り合いのオーナートラックドライバーが言っていた。「近頃、サンピドロ港(ロサンジェルス)に中国からのコンテナが激減している」。木庵>
支那は大国ではないのである。人口が多いだけだ」というコメント、支那脅威ならずということだろうが、そのことをも含めて、支那をしっかり観察する必要がある。私は支那脅威論と脅威心配ならずの両極が頭の中にある。確かにリーマンショック以降の支那は、急激な構造的亀裂が発展したことが露呈した。軍事増強結構、日本叩き結構、どうぞしてください。それより貴方の国の水の危機はどうなりますか、環境破壊はどうなりますか、貧富の格差で特に農村部での生きるか死ぬかの瀬戸際に置かれた人間たちの不満をどう解消するのですかと、対岸の火事のように今は冷静に見ればよいのかもしれない。別に日本叩きだと、目じりを上げてむきにならなくてもよいのかもしれない。しかし、支那の国の実態、国民性を知らない日本人が多いので、その啓蒙の意味でも櫻井の警告は意味があると見ている。
  アメリカの危機も将来訪れるのであろう。どのような文明も、いつが黄昏がやってくる。ましてや、多くの人間が豊かな生活を続ければエネルギーの枯渇が起きる。いつの時代も水をコントロールできる国が高い文明を維持できる。古代ギリシャの町の周辺には森林で覆われていたという(ただ聞いた話)。水も限りある資源である。先日、ロスの街中で地下水をくみ出す実験工事をしているのを見た。ロスというと、東京大阪間(?)も離れたサクラメントの山から水を引いている。人口増加でこの水では不十分なのである。ロスというと砂漠のように思われているが、今冬は相当雨が降る。この雨が海にすべて流れてしまっているのは勿体ない。ため池とかダムを造れ ば結構利用価値があると思うのだが。関係ない話だが、一昨日、ロスに霰が降った。

3)支那の異形性とは、和辻が言った古代以来の≪無政府性≫の支那人気質であり、
支那人(唐人・漢人)と少数民族の構図で多くは支那人という一枚岩とされているけれども、わが国が多民族混血国家であったように支那人もまた支那人なる単一民族ではないのである。支那もまた粉々の混血国家だ。これらの人々は常に政府を信頼せず、私益にのみ走る。こういう国は右肩上がりの時代には強いが、背をみせると危ない。支那人がわが国に渡ってきて犯罪に平気で手を染める。この器質も支那人の≪無政府性≫の本性なのである。

<?」への木庵の反応> 櫻井の言う支那の異形性は、全く和辻の言ったことと同じである。この国は右上がりの時代は強いが、背をみせると危ない。危ない時代がやってきたということである。支那のトップもそのことをよく知っているので、今は必死の状態であろう。また、共産党員、中央政府の役人、地方政府の役人、今までの富を得た人間は、国家という基軸で動かないであろう。結局自己保存の原則、弱肉強食の論理で動くだろう。そうすると案外支那の崩壊も真近ということになるが、まだ簡単にそうはさせない支那中共政府の戦略があるのだろう。はっきり言って、予想が立たない。いつかは崩壊するであろうが、それがいつかという予想はたたないということだ。
   田久保忠衛が言う「世界はいまや、米国を唯一の超大国とするパックス・アメリカーナの時代から、中国が席巻するパックス・シニカの時代に入りつつあると指摘する。偽りを得手とする異形の大国は、満を持して中華大帝国の再現へと歩を進めつつあるのだ」が、どこまでパックス・シニカが世界に影響を与えるかの、度合いが見えてこない。

つづく